「朗読夜 grayish〜冬〜」
2004年12月19日(日)17:30開演 横浜赤レンガ倉庫1号館3F赤レンガホール

今回は「下総鳩居堂」「久遠の光」「Kuwashima vox」合同でオフ会をやろうという事で、参加者を募集して計画的に準備をしてから朗読夜に参加しました。
当日の天候について最近の法ちゃんは雨女なので、また雨が降るのではないかとか心配をしていましたが、いいお天気で冬にしては暖かかったです。
メンバーは私と、瑞樛葵さん、特攻野郎Dチームさん、ポコニャンさん、グッチーさん、ドモエモンさん、に後からときみつさんと黒田さんと金龍さんが加わりました。 このメンバーで食事した後にカラオケをしたわけですが、かなり楽しかったです。最後は桑島ファンの集いに相応しくビリーブをみんなで歌って締めました。

5:00頃会場に到着。早めに桑グッズを買い求めたいためか、すでに長い行列が出来ていました。ちなみに当日券は出ませんでした。
今回の公演限定商品はこのようなものが販売されていたようです。
○朗読夜オリジナル特製箱付grayish〜冬〜公演限定和菓子セット 限定50個(50個中5個の折鶴に法ちゃん直筆メッセージ入り)
○作務衣(さむえ)「朗読夜」スタッフが仕事中に着るもの。(2月中旬にバレンタインのささやかなプレゼントと共に配送)

会場内は前回と同様に座布団席と椅子席がありまして今回私は抽選に外れたので椅子席でした。
前回と違っていたのは座席が座布団席を挟むかたちで両側に椅子席が並べられていて、舞台が前と後にあることです。
これは作品を朗読する場所を移動するという演出をするための配置でした。

朗読夜の開演前は静かでいつも独特な緊張感があります。法ちゃんが拍手と共に歩いて前の舞台の壇上に上がると無言ですぐに朗読に入りました。
今回の法ちゃんの衣装は赤い模様の袴姿でした。前回は夏ということで浴衣だったのですが今回何故袴なのかはとくに説明はなかったです。 DVD朗読紀行で法ちゃんの袴姿は見たことがありますけど生で見ることができて、とても良く似合っているなと思いました。
伴奏はいつものオオモトさんです。この方はなんでも弾けるようで今回はなんとコントラバスの演奏をしていました。クラッシックな楽器に合わせてかタキシード姿で正装をしていました。コントラバスは低音の弦の響きがダークかつ荘厳であり、朗読と実にマッチしていたと思います。

それではメモと記憶を頼りに法ちゃんのトークの書き起こしをしてみたいと思います。 正確でない部分もかなり多いとは思いますが雰囲気だけでも伝わればいいかと思います。「」内が法ちゃんのトークです。


一、「原体剣舞連」(修羅バージョン)
(この原体剣舞連とコントラバスによるコラボレーションの事をトークの中で修羅バージョンと呼んでいました。)

二、「無声慟哭」


「こんばんは。朗読夜へようこそ。」
「みなさんお久し振り。」


「堀井和子さんのエッセー「北東北のシンプルをあつめにいく」という本が好き。」
「(その本に)グレイッシュという言葉が何度も出てくる。」
「(堀井さんは)東北新幹線の窓から見える曇天の空のことをグレイッシュと表現する。」
「何の変哲もない田舎の風景を、グレイッシュという言葉に変換できる。キラキラした感性が素敵だなと思った。」

「(グレイッシュという言葉を)朗読夜でいつか使ってやろうと思っていたらこんなに早く機会があった。」
「赤レンガ倉庫、倉庫と言えばネズミでしょ。つながったみたいな(笑)」

「10月にフラリと一人旅をした。」
「方向音痴なので友達に案内をしてもらって」「賢治ゆかりの盛岡の材木町の光源社に行って漆塗りのお茶碗を買ってきた。」

「どうせやるならアングラでダークサイドな修羅の道を歩く賢治。」
「いきなり頭からズシンと、お経のような。」「ギーギーただひたすら(コントラバスで同じフレーズを弾く)」
「今回はちょっと異質。」
「キラキラした童話と、どっぷりずっしりした、賢治の闇の部分。トシの死3部作。」
「何か心に引っかかるイメージを持って帰ってもらったら嬉しいな。」


「ここで席を替えたいと思います。」
「一番前で喜んでいたでしょう。」
「びっくりした!?」 


(ここで場所替えということで私の席からは遠い後ろの方の舞台へ行ってしまいました。
私は「え〜っ行っちゃうの?」という気持ちでしたが、法ちゃんは楽しそうでした。
お客さんに近い座布団席と椅子席の間を歩いていたので顔見せサービスというかんじでしたね。)

「私の好きなネズミ3部作。」

三、「ツェねずみ」
(ツェねずみが何度もしつこく「まどうて下さい、まどうて下さい」と言う言い方が憎たらしくておもしろかったです。)


(ここで物販の宣伝)
「コーデュロイの手帳。あえて女の人にも使って欲しい。」
「ネズミの手拭い。来年は酉年だけど4年後使える。苦しいな(笑)」



四、「クンネズミ」

「何やらハイテクなものが出てきましたが」
(ボタンを押すと声が出る機材を使っていました。クンネズミの「エヘン、エヘン」という耳障りな咳払いを、
舞台の反対側に設置してあるスピーカーから何度もボタンを押して
「エヘン、エヘン」「エヘン、エヘン」「エヘン、エヘン」とうるさい感じを演出していました。)

「え〜ここで休憩に入ります。それでは後ほど」

<休憩時間30分>

五、「松の針」

六、「牧歌」
「学校で賢治が作った劇の劇中歌」「これも方言。花巻の地元ではママさんコーラスが歌ってる。」

(ここで法ちゃんが歌を歌いました。会場が客席の手拍子で盛り上がるのは静かな朗読夜では珍しいことです。
オオモトさんはカズーという笛のような楽器で声を変えてハミングをしていました。
童謡っぽいメロディで音程がだんだん高くなっていくような不思議な曲でした。)

(オオモトさんの紹介)「カズー奏者のオオモトさん。」(拍手)
「どうでした?大変でした?」「お正月ゆっくり脳みそを休めてください。」
(ここで椅子からずり落ちそうになる法ちゃん)「おっとっと(笑)」


「それでは場所を変えます。」
「何か意味あるんでしょうね(笑)」

(またここで後ろの舞台に移動しました。今度は私の席の前を法ちゃんが歩いていきました。)
「まあ素敵。」 「一番後ろだったけど(笑)」


七、「詩のコーナー」
「気楽に聴いてください。」
「私の定番の詩です。」「私のお気に入り。」


T「くらかけ山の雪」
「登りやすい山」「もし岩手に行く機会があったら登ってほしい。」

U「岩手軽便鉄道の一月」
「これも方言なんだけどパワーが伝わってきて大好き。」

V「稲作挿話」

「(これから読む作品を)みなさんに決めていただきます。」

(お客さんに箱に入ったくじを引いてもらっている時に法ちゃんが「どこから来たの」とか話しかけていました。)
「東京?近いですね。近くて悪いわけじゃないけど(笑)」
(2人にくじを引かせても雨ニモマケズしか出てこないので3人目。)
「どこから来たんですか?」
「大阪?ワーオ!じゃあこの後大変ですね。」

(ここで法ちゃんと話をした大阪の人はなんと葵さんでした。葵さんはくじ引きで「過去情炎」を引きました。)

(雨ニモマケズしか箱に入っていないのではないかと)「疑われるとこでしたよ」「あー良かった。」

W「過去情炎」
「これがまたわかるようなわからないような不思議な詩」「自然が恋人。賢治独特。」

X「雨ニモマケズ」
「みなさんが好きな詩」

Y「カーバイト倉庫」
「これも赤レンガならでは。倉庫つながり」

(朗読夜の開催場所について)「変わった場所を探して転々と」
「(横浜は)夜景が綺麗。」
「(赤レンガ前の)地面に映るステンドグラスを見て、子供がキャッキャッしていた。私も見て現実逃避していた。」


(ここで前の舞台に場所移動)
「ハイまた。大変ですね。あっちに行ったりこっちに行ったり。」
「みんな公平に見えるかんじで。」


八、「鳥箱先生とフウねずみ」

「強烈な内容でショックを受けた。」
「心して聞いてください」

(ネズミ3部作は他の賢治の童話とは変わっているある種ブラックユーモア的な作品でしたね。
こういう話が法ちゃんは好きみたいです。)

九、「永訣の朝」

「いかがだったでしょうか。」
「本当によくこんな事考えました。」
「今日はてんてこまいなかんじでお送りしました。」

「お天気も良かったですし。」
「今年も残りわずかでゾッとしますけど。」

「(朗読夜を初めて)来年5年目。」「もうそんなに経ってしまうなんて。」
(来年で)「デビュー10周年らしいんですよ。」
「先輩の10周年を人事だと思って見ていた。」
「月日が経つのが早いと思う。」

「着実に自分のやりたい事ができている。」
「今年も私の好きな季節の12月にやれて良かった。」
「きっと30代もあっという間。」
「今日はどうもありがとうございます。」



十、「原体剣舞連」
「心をこめて。」
(最後にもう一度生声バージョンの原体剣舞連を朗読して締めました。)

〜終演〜

今回の朗読夜は重厚なトシの死3部作とネズミ3部作という対照的な傾向の作品に、歌も聴けましたし舞台の移動などをしたりして多くの趣向が盛り込まれた内容でした。詩のコーナーでは法ちゃんがお客さんとコミニュケーションを図る余裕も見られまして大変充実していたと思います。

休憩時間にはダンデライオンさん、茶娘しじみさん、BOILERMAN M.T.さん、Kさんに無事に会う事が出来ましてご挨拶が出来ました。桑グッズを買おうと思っていたのですけど、欲しかった手帳と手拭いはすでに売れ切れでした。
帰りのオフ会は黒田さん、電脳不敗さん、特攻野郎Dチームさん、グッチーさん、ドモエモンさん、Nさん、といったメンバーで食事をしてから横浜を後にしました。お会いできた皆さんにはいろいろとお世話になりました。またの機会も是非よろしくお願いします。

by M.M.(2005/1/8)


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