「朗読夜 collage〜夏〜」
2004年8月29日(日)17:30開演 横浜赤レンガ倉庫1号館3F赤レンガホール 

今回の朗読夜は横浜の赤レンガ倉庫ホールで開催されました。
普段は地方の公民館やホールといったローカルな土地で地味に開催されてるわけですが、こういった観光地というかお洒落な場所では初めての朗読夜です。

倉庫といっても、もちろんただの倉庫なわけでなく、横長のスペースの真ん中に花道があり、座席は前にざぶとん席がありその後ろに椅子席がありました。
椅子席だと座席の高低差がないため、後ろの方からだと見づらかったようです。
客層はネットでの先行発売ということもあってか、いつもより濃いめだった気がします。
それでも招待客らしきおじさんとおばさんの団体さんが椅子席の最前列にいました。一応当日券も出てたようです。

今回は特別にいつもと違う試みがありました。
○「ざぶとん席」足が伸ばせず狭かったです。その分近い位置で見れました。
○「ドリンクサービス」熱気で汗をかいたので、本気で喉が渇きました。長蛇の列が出来ていて、三ツ矢サイダーと小岩井リンゴは品切れだったのが残念でした。
○「休憩時間30分」朗読夜オリジナル弁当が売られてました。賢治の「やぶ屋」でのサイダーとそばのエピソードを元に作られたそうです。

それでは、当日の法ちゃんの発言をレポ用にメモしてきたので思い出しながら書き起こします。記憶違いや間違いも多いかと思いますが一応雰囲気だけでも伝わればよいかと思います。

<開演前の法ちゃんによる場内アナウンス>
「アンケートで隣の人のいびきがうるさくて集中できなかったという可愛そうな人がいました。
このような悲惨な出来事を二度と繰り返さないために、いびきをかいてる人がいたら起こしてあげて下さい。」


<第一部>「風の又三郎 〜 collage version 〜」

拍手と共に法ちゃんが登場。夏らしく涼しげな浴衣姿で赤い帯の後ろに団扇を挿していました。
BGMのキーボード担当のオオモト マサトモさんは法ちゃんに合わせて甚平姿でした。法ちゃん曰く「私が浴衣を着たいと言ったばかりに」だそうです。

この話は賢治の童話の中でも代表作ですが長い話なので抜粋というかたちで朗読されました。
不思議な転校生が風と共にやって来て、風と共に去っていく、主要な場面をより抜いた構成になっていたと思います。
「どっどど どどうど どどうどどどう」という有名な一節はこう読むのかと感心してしまいました。
とくに好きだったのは「わあい」と囃したてる様子や「それから?それから?」と、からかうやりとり等が実に子供らしくて、都会的な三郎と岩手の素朴な子供達を生き生きと演じ分けていて、アニメの少年役とは一味違うなと思いました。

「風の又三郎」

「九月一日」

「九月四日、日曜」

「九月五日」

「九月十二日、第十二日」

深々とお辞儀(大拍手)

「長かったですね。」
客席(笑)
「これでも継ぎはぎなんですよ。本当は倍くらいある。」「コラージュ作品です。」

(今日の天気)
「風の又三郎にふさわしい天候にも恵まれ(笑)」「晴れ女は返上したいと思います。」
「プログラムに暑いって書いちゃったけど、今日寒いよ。」「やっちゃった。」

(ドリンクサービスのメニュー)
「小岩井オレンジを注文したのに、今日見たらリンゴになってた。」

(座布団席について)
「女の子でスカートで来てる子は大丈夫かな。」(会場内をカメラで見ていて心配していたそうです。)
「(座布団を)布を選ぶとこから立ち会った。」「どうよ!こだわりの一品です。大事にしてください。」

(風の又三郎について)
「外国語のような岩手弁満載。」
(岩手弁にも地域によって違いがあるそうで、賢治は南部藩で法ちゃんは伊達藩なので方言の違いを勉強しているそうです。)
「よくわからなかった人はまた頭から読み直してみてください。」
一旦退場(拍手)


<30分間休憩>

<第二部> 銀河のコラージュ

赤いショールをはおった大人っぽいドレス姿で登場。朗読夜で衣装替えがあるのは今回が初めてです。
楽器をベースに持ち替えたオオモト マサトモさんも、キラキラのスパンコールの黒いシャツで登場。「キラキラしてる(笑)」

(テレビで偶然オオモトさんが出演してるのを発見した話)
「BSで長渕剛のライブを何気なく見てたら、」「(ベースの人をどこかで見た顔だと思ったら)私この人知ってるよ!」「めちゃミーハー。」

「半端じゃない曲数をこれのために作曲してくださった。」
「(オオモトさんが)リハーサルで目がうつろになってる。」(ひきこもりになって曲をつくってた。)
「そんな夏とも今日でおさらばです(笑)。」

(お祭りに行って来た話)
「皆さん今年は夏らしいことしましたか?」
「私は東北三大祭りの一つ。秋田の「竿灯祭り」に行って来ました。」
「竿に提灯をつけて一人で持ち上げる、大道芸みたいな男らしいお祭り。」

「(地元にいた頃は)祭りに縁がなかった。」「(岩手には)ちゃんがちゃんが馬子とか鬼剣舞がある。」
「伝統芸に触れると心が洗われる。元気になりたい今日この頃です。」

第二部はいくつかの詩と「星めぐりの歌」と「銀河鉄道の夜」の抜粋を二、三ヶ所間に挟んでコラージュした朗読でした。

「暁穹への嫉妬」
「夏の夜空に想いを馳せて、」

「岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)」
「(賢治のクラシック好きは有名だけど実は)賢治はジャズも好きだった。」
「(法ちゃん的に岩手軽便鉄道は)1月が好きで7月は難しいんで敬遠していた。」


「厨川停車場」

「星めぐりの歌」
「賢治さんがつくった唄。(小学校で歌っていたとか)」

「鉱染とネクタイ」

「カーバイト倉庫」
(赤レンガ倉庫だけに倉庫で読むとイイかんじ)

「銀河鉄道の夜」(抜粋)
「ほんとうの幸いを探す旅・・・・(沈黙後微笑み)、まあ聞いていただきたいと思います。」

「永訣の朝」

岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)を朗読する前に本物の蓄音機でアナログレコードを流す演出がありました。
ブチブチと音がする古い音源のジャズでノスタルジックな気分に浸れました。「星めぐりの歌」は童謡をジャズ風にアレンジしたような、ちょっとお洒落なかんじで可愛らしくもあり、法ちゃんの生歌を聞けたという意味でも貴重でしたね。プログラムには載ってない「銀河鉄道の夜」の抜粋も聞けたということで、個人的にかなり良かったです。「永訣の朝」は照明を落として静かに朗読されました。

深々とお辞儀(大拍手)
(エンディングトーク)
「いかがだったでしょうか。」
「一気にいくとあっという間。」「いつもは、たらたら喋ってる。」
「(帰りは)泊まっていく人もいるのかな?」「シーン。」
「こういうかたちもありかな。」「冬はまだ考えてない。」

(次回の朗読夜について)
「曇り空とネズミ色で東北の曇天をイメージした、ねずみ3部作シリーズと勝手に呼んでる。」
「もしご都合がつけば、またお会いしたいです。」
「なごりおしいですが最後です。」


「原体剣舞連」

最後は恒例の原体剣舞連です。マイクなしで生声で朗読をしながら椅子席正面まで花道を歩いて来て立ち止まりました。
私は丁度真横の位置に座っていて、朗読する横顔を見れたわけですが、照明が逆光で法ちゃんを照らして、口元から気迫で白い息としぶきが飛んでいるのが見れて圧巻でした。

<終演>
今回はスペシャルということでいろいろと趣向を凝らしていてかなり楽しめました。

黒田さんとは掲示板で席番号が近いなんて話をしていたんですけど、いないんでおかしいなと思ってたら、結局右ブロックと左で真逆の位置でしたね。
この日は忘却のイベントで知り合ったKさんとも、再会することができました。
帰りのオフ会は、黒田さん組と合流して総勢10名で閉店時間前の赤レンガ2号館内のお店で、昔の法ちゃん話などで盛り上がりました。
参加メンバーは黒田信親さん・刹那の蒼さん・ikusuさん・カニクさん・ 金龍盆さん・ドモエモンさん・グッチーさん・ダンデライオンさん・忘却のイベントで知り合ったKさん(HN無いんで仮名さん)といった方達でした。みなさんには大変お世話になりました。私自身声が嗄れるほど喋ってしまいました。楽しかったです。最後に記念写真を撮ってお別れしました。

by M.M.(2004/9/12)


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